安井 弥前教授から

ご挨拶

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孜々不撓臨床科として診断の要である病理診断を実践し、多くの病理専門医を育成するとともに、基礎医学として病態に根ざした先進的・探索的研究を行っています。

このふたつの命題について、個人の特性あるいは志向に合わせた大学院教育/病理医教育/研究者の育成を行います。即ち、各人を伸ばせる環境を作ってそれぞれが存分に力を発揮できるようにし、違ったベクトルを総和として病理学の進むべき方向と一致させるようにします。

重要なことは、病理診断と分子病理学的研究とは表裏一体であり、形態の分子基盤を知ることにより病因・病態に基づいた深い病理診断、治療に直結する診断が可能となり、一方で病理組織を通してみた病気の実像から新たな医科学研究の展開が生まれてきます。さらにNGS解析等から得られるゲノム情報と病理組織診断を統合した分子病理診断を担う分子病理医はゲノム医療において欠くことのできない存在です。

安井 弥前教授のプロフィール

1955年神戸に生まれ、六甲高校を経て広島大学医学部を卒業。大学院生、助手、講師、助教授を経て、2000年広島大学教授に昇任した。1987-9年には米国スクリップス研究所にてDNA修復と遺伝子発現制御の研究に従事した。一貫して、消化管癌の発生・進展に関する分子病理学的研究を行い、増殖因子、エピジェネティクス、新規診断治療標的の同定に関して多くの業績を挙げている。開業医だった父の姿を見て「一人の臨床医ができることにはどうしても限界がある」と感じたことに加え、病理学なら基礎研究に取り組む一方で病理診断を通じて臨床を行なうことができると考え、現在の道を選んだという。進むべき方向を「病理形態と機能/遺伝子・分子の異常との接点」と定め、診断病理学と実験病理学を包括し、病理学の在り方を実践をもって提言し続けている。2008年には「胃がんのTranscriptome dissection」の研究により日本病理学賞を受賞、会長として第103回日本病理学会総会(2014年)、第89回日本胃癌学会総会(2017年)、第79回日本癌学会総会(2020年)を広島にて開催した。広島大学 Distinguished Professor、2014-8年には大学院医歯薬保健学研究科長を務めた。

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